白い雪が降り積もるように


「君が俺と来るかは君次第だよ」



行くか行かないかなんてもう決まってる。




申し訳ありません、紗良様……。




心の中で謝罪しながらも私は彼と共にタクシーに乗り込んだ。





「何処に行くの?」




「とりあえず駅に行って、それから新幹線で東北に行く」





「何故、東北に?」




「……誰もいない所で雪が見たい」





そう言ったきり、彼は口を開かなかった。





駅までタクシーで行くとそこから新幹線に乗り込んで、とりあえず仙台まで向かった。





仙台からはバスやらタクシーやらを乗り継いで、雪が見たいという彼の言葉に従って山奥の方まで来た。





東北でも太平洋側に面する宮城は他の県に比べたら雪の量は少ないらしい。






でも、降り積もる程の雪があまり降らない所から来た私たちからすれば、宮城も大分雪が多いように思えた。





< 401 / 422 >

この作品をシェア

pagetop