白い雪が降り積もるように
「……覚悟しときます」
「フフフ、大丈夫ですよ。篠田さんの傍には基本的に私か依良様がいますからそう易々と質問攻めにはあいません。さて、お仕事を始めますか」
げんなりとする私の反応が面白かったのか玖下さんは穏やかに笑うと、両手をパンと合わせた。
「はい、よろしくお願いします」
「では、先ずは依良様を起こしに参りましょうか」
蓬條依良の世話係や付き人は先ずそこから始めるらしい。
私は玖下さんに連れられ、蓬條依良の自室へと向かった。
「依良様、失礼致します」
ドアをノックして部屋に入ると蓬條依良はまだ寝ているようで、ベッドの真ん中辺りが膨らんでいた。