白い雪が降り積もるように
翌日。
私は依良の腕の中から抜け出すと浴衣から私服へと着替える。
そして、部屋に置かれているメモ用紙に彼へのメッセージを残した。
≪離れてても好きです≫
その一言を残して、まだ眠っている依良の頬にキスする。
少しの間だけど、バイバイ……。
荷物を持ってコートを羽織ると部屋を出た。
廊下を歩いていると紗良様と達也さん、玖下さんがいた。
「……決心はついたか?」
「はい」
「なら、今から私達と共にアメリカに発つぞ。玖下、依良を頼んだぞ」
「畏まりました」
私は玖下さんを残し、紗良様と達也さんと共に旅館前の車に乗り込んだ。
これから何年の間、彼と会えないか分からない。
でも、私は頑張らないといけない。