白い雪が降り積もるように


「紗也、早く用意しないと小学校に遅れるよ」




挨拶を交わしていると蓬條依良が紗也様をベッドから降ろした。




「えー」




「今日は紗也の好きなシチューが給食で出るはずだよ」





「むー!お兄ちゃんだけ学校に行かないとかズルイー!」




え、蓬條依良は学校に行ってないの?




私より一つ上だから高校生だよね?




紗也様の言葉に引っ掛かりを感じていると彼は妹の頭を撫でて優しく笑い、




「そう言わないでよ。俺、紗也から学校での出来事の話聞くの好きだよ」




自分が学校に行っていない理由を濁し、上手く話を反らした。




何故、濁すのだろうか?





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