白い雪が降り積もるように
何故、お母さん達が血塗れで倒れているのか……。
何故……。
何故、私も血の海に倒れているのか──。
「お、父さん……」
燃えるような首筋の痛みに耐えながら父を呼ぶ。
私達を刺したのはお父さんだ。
部活を終えて帰ってきた途端にお父さんに刺された。
理由は分からない。
お父さんはリビングから見える二階の踊り場にいて、その近くにある柵には何重にも固定された縄があった。
縄の先には輪が作られている。