白い雪が降り積もるように
「あのね、今日算数のテストがあったんだけど、私、100点だったの!」
「す、凄いな、紗也。とりあえずさ、上から退けてくれないかな?」
「えー」
「鳩尾が痛──う゛……っ」
えーと言っている紗也様の肘がまた鳩尾に入ったようで、また蓬條依良は呻く。
……何か哀れ。
そんな彼を助けたのは玖下さんだった。
「紗也様、不躾ながらランドセルを部屋に置いてきてはいかがですか?」
「えー、何でー?」
「15時を過ぎましたので、おやつを召し上がってはいかがかと思いまして……」
すると、おやつという言葉に紗也様は目を光らせて、蓬條依良の上から降りた。
「おやつ!部屋にランドセル、置いてくるー!」
そして、慌てて自室へと走っていった。
おやつに反応するとは子供らしくて、可愛らしい。