白い雪が降り積もるように
「ありますよ」
「え、あるんですか?」
「強いていうなら、恋ですかね」
「え?」
「私、生まれてこのかた恋をしたことがないのです」
え、こんなにイケメンなのに恋人いたことないの!?
え、だって、こんなにイケメンだったら女の子も女の人もほっとかないって!
私は動揺して目をぱちくりさせてしまう。
「恋人はいたことありますが。……まあ、恋など知らなくても困ることはありませんしね」
え、恋したことないのに恋人はいたことがある?
それに、その後の言葉って……。
彼の言葉の意味が分からず、呆けていると目の前に一口大のケーキが差し出された。