白い雪が降り積もるように

4.嘘



蓬條依良の殺人容疑で元使用人が警察へ連行された後、私は彼らと部屋に戻った。



「篠田君、空手と柔道習ってたの?」



部屋に戻るなり、蓬條依良にそう問われる。




私は幼い頃から空手と柔道を習わされていた。




元々身体能力が高かったようで、空手と柔道は何度か優勝したことがある。




でも、詳しく話してしまうと正体がバレてしまうからやっていた事実だけを伝えよう。




「はい、中学までですが……」




高校でもやっていたけど、出来なくなってしまったから正確には中学までだ。




あの心中事件の時も抵抗すれば怪我をせずに済んだと思いたいけど、あのお父さん相手では勝てそうにない。




何せ、お父さんは空手と柔道の有段者で私よりも遥かに強かったから。





< 68 / 422 >

この作品をシェア

pagetop