白い雪が降り積もるように


そんな私の感情を読んだのか、紗也様は言葉を続けた。




「お兄ちゃん、かわいそうなの。寂しがり屋なのにいつも一人。家からも出られず、いつも一人で一日を過ごしてるの」




「高校へは行かれないのですか?」




「行かない。ううん、行けないの。お友達に裏切られちゃったんだって……」





「!?」




小さな子が言うには重い言葉が紗也様の口から発せられる。




蓬條依良が友達に裏切られた……?




このまま聞き出せれば、奴の弱点を見つけられるかもしれない。




「お友達に裏切られたとはどういう意味なのですか?」




「詳しくは分かんない。でも、私、その時に初めて見たの。お兄ちゃんが泣いてるところ」





すると、紗也様の目にうっすらと涙が溜まっているのが見えた。




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