白い雪が降り積もるように
大好きな優しい兄を奪われたとき、貴女はもう私に笑いかけてくれないだろう。
こうして、抱き付いてくれはしないだろう。
そして、憎しみの眼差しで私を見るだろう。
私の本心を知らない紗也様は嬉しそうしている。
そして、こんな嘘つきな私に
「ありがとー、篠田さん」
と笑いかけてくれた。
罪悪感がないと言えば嘘になる。
心が苦しい、痛む。
そう思うのが普通だと無意識に感じているのだろう。
でも、その罪悪感さえも嘘なのかもしれない。
今の私は嘘の塊だ。
この子との約束も罪悪感もさっき蓬條依良に言った言葉も全て嘘。
復讐を遂げる……。
ただ、それだけが私の話す真実だった──。