白い雪が降り積もるように

5.奪われたもの



数日後。



公休を貰った私はお姉ちゃんと秋葉が入院する総合病院に来ていた。




「冬雪姉、痩せた?」




秋葉の車椅子を押しながらお姉ちゃんの病室に向かっていると、秋葉が見上げながら問うてきた。




「そう?」





「うん、さらに細くなった気がする。髪が伸びたからかな?」




私は今ウィッグを着けずに、髪を下ろしている。





さすがに屋敷を出るときはウィッグを着けてたけど、秋葉達に会うときは外した。





秋葉は私が蓬條に潜入しているのを知っているけど、男装をしていることは話してないからバレると面倒だ。





何せ、秋葉は一番お父さんに似た性格の真面目過ぎる程の堅物だ。




何を言われるか分からない。






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