白い雪が降り積もるように
「春陽姉、もう起きないのかな……」
秋葉は今にも泣きそうだった。
そんな妹に私は何て声をかけたら良いか分からなかった。
名前の通り、春の陽射しのように暖かく優しかったお姉ちゃんはもう二度と目覚めないとお医者さんに言われている。
「冬雪ちゃん、ちょっと良いかな?」
「はい。秋葉は此処にいて」
私は秋葉をお姉ちゃんの傍において、拓実さんと病室から出て、そこから少し離れた所にある扉からテラスに向かった。
「……それで、秋葉ちゃんの足は何て?」
今日はお姉ちゃんと秋葉のお見舞いだけでなく、秋葉の足についての話もあった。
下半身不随と言っても、リハビリ次第では歩ける可能性があった秋葉。
でも──。