白い雪が降り積もるように
「もう二度と歩けないそうです。リハビリも無意味に近いって……」
「そう……」
秋葉はもう二度と歩けない。
陸上の短距離走者で全国大会にもよく出ていて、オリンピックに最も近い中学生と言われていた。
でも、それはもう過去の栄光でしかなかった。
「何故、君達姉妹だけ辛い目に遭わないといけないんだ」
拓実さんはテラスの壁を悔しそうに殴った。
「拓実さんだって、お姉ちゃんがあんな風になって辛いでしょう?それに、お姉ちゃんと秋葉の医療費を出して貰っていますし……」
そう、お姉ちゃんと秋葉の医療費を出しているのは拓実さんだった。
一月に何十万という医療費を全て出し、その上毎日のようにお姉ちゃんのお見舞いに来てくれている。