白い雪が降り積もるように


でも、私は何も奪われてない。




なら、私がやらなくて誰がやるの?




私が何も奪われたなかったのは仇討ちをするのは私しかいないと決められていたからだろう。



だったら、やるしかない。




目の前で拓実さんが辛そうな顔をしていた。




私は彼の手を離すと、身を翻す。





「……帰ります。秋葉とお姉ちゃんをよろしくお願いします」




そう言い残して、テラスから出ようとした。





「君も奪われてるじゃないか……」



ふと、拓実さんの呟きが聞こえた。




奪われる?何を?




「冬雪ちゃん、君が最後に笑ったのはいつ?」




そんな問いかけを聞こえない振りをして、テラスから出た。






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