白い雪が降り積もるように
「辞めさせれば良い」
が、大あくびをした後の言葉で、空気が一気に変わった。
怒っているようには見えない。
でも、何処か冷たい雰囲気を蓬條依良は纏っている。
「自分の力量も知らず、傲り高ぶっている馬鹿共が。不愉快だ、それを持って去れ」
彼の言葉で、大中小の前に三つの荷物が置かれた。
それを持ってきたのは休みのはずの玖下さんだった。
「ちょっと待ってください!これだけで辞めさせるなんて……。第一、依良様にそれを決める権限が──」
「依良にはありますよ。彼は蓬條の次期頭首です、現頭首に次ぐ権限がありますからね」
達也さんは声色を変えることなく、私の言葉に被せてきた。