白い雪が降り積もるように
「待ってください、依良様!私達は──」
「聞こえなかった?俺は去れと言ったんだ」
「……っ!」
大が何か言いかけたが、蓬條依良の静かすぎる声に恐怖したのか中小と共に荷物を持って去っていってしまった。
冷酷だ。
確かに彼らにも非があったかもしれないけど、辞めさせることはないと思う。
蓬條依良にあの女の血が流れているのは間違いない。
この男が跡を継いだらあの女と同じことを行うだろう。
やはり、この男は──。
「おいおい、やりすぎじゃねぇのか?依良」
ふと、倉庫から気の抜けた男の人の声がした。
倉庫の方へ視線を向ければ、そこにいた人物に目を疑った。
何せ、蓬條依良と瓜二つの顔をしていたのだから……。
「ら、良威!」
達也さんが驚いたように彼を呼ぶ。