失った両親。崩れた家族。
名前も全てを偽ってまで、復讐を誓った主人公。
蓬条依良、彼への復讐を遂げる。
そう誓った筈なのに、彼への復讐はお門違いの復讐で、そして。
『好きになるなんてあり得ない』
自分なんかが、愛してはいけない人だった――――
*
それぞれが抱える過去、絡みゆく闇、複雑に絡み合う繋がり。
そして、隠されていた愛情。
真っ白な雪が積もるように、白く染まってしまえばいいのに。
冬雪の抱えた暗い過去に、絡み合っていく登場人物が抱えたモノが物語をどんどん急展開へと進めていきます。
それが決して不自然ではなく、儚さを増していきながら創られていく。
繊細な文章で彼女の想いを、綺麗に描かれています。
シリアスな中にもくすりと笑える所もあり、飽きさせない文章に圧巻です。
色々なものを抱えた、個性豊かな登場人物にも御注目あれ。
決して甘々なだけが恋愛ではない。
是非、御一読を。