こくおうさまのすきなひと
「さては今になって、自分のしてきた事を後悔しているね」

「……ああ。よく考えたら私は最低な男だな」

「そんな最低な男に振り回された人がそこにいるよ。……ほら」


ロアは意地悪そうに少し笑って、大広間へと行き来する扉の方に向けて軽く指を差した。

差した先にいる女性を見て、私は思わず息を飲む。


「あら、こんな所にいらっしゃったのですね、国王様」



そう言ってその女性は笑みを浮かべ、私の元へとやって来た。


「セシリア……」



「お久しぶりですわ、国王様。ずっとお会いしたいと思っておりました」




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