こくおうさまのすきなひと

不安を覚える王女

***



――翌日。


夜会の疲れと夜も遅くに寝た事もあり、昼近くまで寝てしまった私。

起きた時には、国王様は部屋にはいらっしゃらなかった。


国王様は『目が覚めるまで起こさず、ゆっくり寝かせてやってくれ』と、ティアに言って部屋を出ていったらしく、敢えて起こさなかったそう。


しかし、私がいつまで経っても起きる気配がないので、身体の調子が良くないのでは?と心配したらしい。


「ごめんなさい、ティア。身体の調子はすこぶる良いの。とても気持ちよく寝てしまったわ」


「そうですか?それならいいのですが……。ずっと気を張っていらっしゃったから、とても疲れていたのでしょうね。今紅茶をお持ち致します。朝食、と言うか昼食はどうしましょう?」


「紅茶を飲んだら食堂へ行くわ。私だけゆったりしていては、アルス様に申し訳ないもの」



私の言葉にティアは頷くと部屋を出ていく。



部屋にひとりきりになり、私は大きなため息を付いた。


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