こくおうさまのすきなひと
「とりあえずさ、これだけは言いたかったんだ。例えどんな事があっても、何があっても、どうか兄さんを信じてついて行って欲しい。それだけでアーハイムもアーネストも平和と安定を保つ事が出来るし、更なる発展も見込める。全ては姉さんにかかっているんだよ」
「私に、かかって……?」
「そう。今はこれ以上の事は言えないけど、いずれこの意味が分かると思う。だからそれまでは、今言った事を忘れないでいて欲しい」
そう言って、ロア様は私に頭を下げた。
私はというと、どういう事なのか頭の中で理解が出来ず、ただ困惑している。
どんな事があっても、国王様を信じる……。
それだけで国の平和と安定が保たれる?
私が信じるだけで……?
……たったそれだけで?