こくおうさまのすきなひと


それから、二日後……。





「王妃様、弟様から手紙が届いております」



朝食を摂り終え部屋へと戻ったところで、ロバートが部屋へと訪れ、手紙を渡してくれた。

封筒にはアーネストの国花が描かれ、真ん中には『親愛なるミネア王妃へ』と書かれている。



「ありがとう、ロバート。わざわざごめんなさいね」


「いえ、お気になさらず。それよりも王妃様。今日の午後、国王様と共に貴族達との接見がございますので、早めの準備をお願い致します」


「ええ、今日の朝アルス様からも聞いていたから大丈夫よ」


「それならば良いのです。では、私はこれで」



ロバートが部屋から出ていくのを見届けてから、ソファーへと腰を掛ける。

そしてしっかりと糊付けされた封筒を慎重に開け、中身を取り出した。


便箋3枚にびっしりと書かれた文字をゆっくりと読んでいく。



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