こくおうさまのすきなひと
国の状況、家族の状況。


フライムとの睨み合いが続く中でも、まだ比較的国の中は平和で、普段通りの生活を行っているらしい。


アーハイムの騎士団の合流によって、アーネストの騎士達の士気が高まり、逆に頼もしさを感じる、とも。


家族も相変わらず元気であると。


たまに妹のレイラが、私に会いたいと我儘を言う時もあるらしいが、変わらず元気にやっているそう。


ただ、いつ争いが始まってもおかしくない状況ではあるため、城の中もさることながら、国民達もそれぞれシェルターや備蓄品の確保など、争いに対しての対策をしているとの事だった。




思っていたよりも、国の中は変わっていない。


その事に少し安心した私だったが、終わりに書かれていた言葉に、私はまた別の不安を覚えた。


それは検閲されても分からないように、その言葉だけアーネストに伝わる古い文字で書かれている。





『全ての問題が片付いたら迎えに行く。もう策は練ってある。――貴女の幸せの為に』





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