こくおうさまのすきなひと
国王様はとても嫌そうな顔をするが、すぐにいつもの表情に戻る。

そしてため息をひとつ零し、ロバートに返した。


「……分かった、行こう。私が全て悪いのだからな、私が出ていく事で上手く収まるのなら仕方ない」


ひとり蚊帳の外。

国王様とロバートの話の内容が見えてこない。


聞くべきか、聞かずに知らぬふりをするか。

耳打ちをするくらいだもの、本当は聞いてはいけない話なのだと思う。


けれど、私には知らない事が多すぎて。


「……あの、何かあったのですか?」

少しでもいいからアルス様の事が知りたいと、つい聞いてしまった。


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