こくおうさまのすきなひと
私の問いに、国王様は少し慌てたような仕草を見せる。
先程までの厳しい表情から一転、私を安心させるように無理矢理笑顔を作って見せた。
「な、何でもないんだ。ちょっと面倒な事があったのだが、ミネアには関係ない事。何も心配する必要などない、気にするな」
「そ、うですか……?でも、口ぶりが只事ではないような」
「本当に何でもない!ミネアは部屋で私が帰ってくるまで、一歩も出る事のないように!いいな!!」
国王様は声を荒げた。
怒りと焦りが篭った言葉と口調に、思わず身体がビクリと跳ねる。
深く聞いてしまった後悔と、初めて怒鳴られてしまった恐怖から、そのまま身体を強張ってしまった。
そんな私を見て国王様はハッとした表情を浮かべて、口元を手で覆う。
「……す、すまない。怒鳴るつもりは……」
「い、いいえ……。私が悪いのです。軽々しくアルス様に聞いてしまったのですから……」
涙が溢れて零れそうになるのを、必死に唇を噛みしめて堪える。
顔が見えないように少し俯きながら、部屋の扉を開け、ひとり部屋へと入り扉を閉めた。
先程までの厳しい表情から一転、私を安心させるように無理矢理笑顔を作って見せた。
「な、何でもないんだ。ちょっと面倒な事があったのだが、ミネアには関係ない事。何も心配する必要などない、気にするな」
「そ、うですか……?でも、口ぶりが只事ではないような」
「本当に何でもない!ミネアは部屋で私が帰ってくるまで、一歩も出る事のないように!いいな!!」
国王様は声を荒げた。
怒りと焦りが篭った言葉と口調に、思わず身体がビクリと跳ねる。
深く聞いてしまった後悔と、初めて怒鳴られてしまった恐怖から、そのまま身体を強張ってしまった。
そんな私を見て国王様はハッとした表情を浮かべて、口元を手で覆う。
「……す、すまない。怒鳴るつもりは……」
「い、いいえ……。私が悪いのです。軽々しくアルス様に聞いてしまったのですから……」
涙が溢れて零れそうになるのを、必死に唇を噛みしめて堪える。
顔が見えないように少し俯きながら、部屋の扉を開け、ひとり部屋へと入り扉を閉めた。