こくおうさまのすきなひと
それから少しの時間が経ち、部屋へと戻って来たティアが、気持ちが落ち着くというハーブティーを淹れてくれた。


「どうぞ、熱いのでゆっくりとお召し上がりください」

「……ありがとう」


テーブルの上に置かれたカップからは、白い湯気と仄かな甘い花の香り。

私はカップを手にすると、ゆっくりと口に運んだ。


「……美味しい。とても落ち着くわ……」


少し冷静にはなれたけれど、冷静になれたからこそ後悔がどんどんと膨らんでいく。


国王様は今まで通り、普通に話してくれるだろうか。

私と一緒に寝てくれるだろうか。


自分の軽率な行動で、今までの積み重ねを全て壊してしまったのではないかと、不安ばかりが纏う。

そんな最中、ティアが重々しく口を開いた。


「……ミネア王女」


「どうしたの?」



「……とても言いにくいのですが、お話してもよろしいですか?」


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