こくおうさまのすきなひと
『本当にそなたには悪いと思っている。……けれど、私はもうミネアしか愛せない身体になってしまったのだ。仮にそなたが側妃となろうが、私はそなたの待つ部屋には行かないだろう』
その言葉に、セシリアは信じられないと言った表情を浮かべて、私を見上げた。
セシリアの瞳は複雑に揺らめいている。
私はその瞳を決して逸らす事無く、話を続けた。
『昔の私を知っていれば、そのような話は信じられないだろうな。けれど知ってしまったのだよ、本当の愛を。ミネアを一目見て好きになってしまったんだ。……この想いは本当だ、嘘偽りはない』
セシリアは唇を噛みしめ、涙を流す。
拭ってやりたい気持ちはあるが、中途半端な優しさは彼女を傷付けるだけだろう。
ただ見つめるだけに留まった。
『本当の……愛、ですか……。まさかそのような言葉を国王様の口から聞くとは思いませんでしたわ。これまで気のある素振りは見せていたけれど、その言葉だけは決して私にはくれなかったのに、王妃様にはすんなりと言えてしまうのですね』
そう言って、セシリアは私の胸元を軽く押して離れる。
その時は既に戦意喪失といった感じで、今までの勢いは無くなっていた。
『……悪い。ミネアを愛しているからこそ、セシリアには何も出来ない。こんな男の近くにいる事が幸せだと思うか?私など早く忘れてそなたを愛してくれる男と一緒になった方が、必ず幸せになれると思う』
その言葉に、セシリアは信じられないと言った表情を浮かべて、私を見上げた。
セシリアの瞳は複雑に揺らめいている。
私はその瞳を決して逸らす事無く、話を続けた。
『昔の私を知っていれば、そのような話は信じられないだろうな。けれど知ってしまったのだよ、本当の愛を。ミネアを一目見て好きになってしまったんだ。……この想いは本当だ、嘘偽りはない』
セシリアは唇を噛みしめ、涙を流す。
拭ってやりたい気持ちはあるが、中途半端な優しさは彼女を傷付けるだけだろう。
ただ見つめるだけに留まった。
『本当の……愛、ですか……。まさかそのような言葉を国王様の口から聞くとは思いませんでしたわ。これまで気のある素振りは見せていたけれど、その言葉だけは決して私にはくれなかったのに、王妃様にはすんなりと言えてしまうのですね』
そう言って、セシリアは私の胸元を軽く押して離れる。
その時は既に戦意喪失といった感じで、今までの勢いは無くなっていた。
『……悪い。ミネアを愛しているからこそ、セシリアには何も出来ない。こんな男の近くにいる事が幸せだと思うか?私など早く忘れてそなたを愛してくれる男と一緒になった方が、必ず幸せになれると思う』