こくおうさまのすきなひと

「……おやすみなさいませ」


小さくミネアが言い、寝台へと向かった。

そんな状況でももしかしたら前のように、と期待してしまう自分がいる。


「私も寝よう。……おやすみ、ミネア」


そう言って、私も寝台へと向かう。


途中、寝台の真ん中でミネアの手と、私の手が触れた。




――その瞬間、



「……嫌っ!!」







と、素早く手をよけられてしまう。




「……あ」



――時が止まったような感覚に陥る。

――そして頭の中が真っ白になった。


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