こくおうさまのすきなひと
その足でロバートと共に執務室へと向かう。
普段は静かな城の中も、僅かにではあるがざわめきを成していた。
争いが始まったとなれば、状況によってさらなる騎士団の派遣もしなくてはならない。
ここに残った騎士達が、報告を受け今後の為に準備を行っているようだった。
執務室には使いの騎士が既におり、挨拶もそこそこに状況を聞く。
フライム軍の数はおおよそ3000ほど。
奇襲は昨日の昼だという。
それを受けて、騎士は寝ずにここまで馬を走らせて来たという事だった。
こちらは合わせて倍以上の数を揃え、兵器類の数も十分に余裕はある。
加えてこちらからさらなる騎士達の増強を図れば、危機的な状況に陥る事はまずないだろう。
ただ問題は、この争いが予想よりも長引いてしまった場合、どうなるか分からない。
なるべく早急に終わらせなければならないが……。