こくおうさまのすきなひと
――5日後。
「報告です!フライム側が完全降伏致しました!!吉報にございます!!」
それは昼過ぎの事だった。
ひとりの騎士が興奮気味に、部屋の扉を叩きそう叫ぶ。
それを聞き、私とティアは顔を見合わせた。
「こう、ふく?」
「ミネア王女……!終わったのですよ、争いが!こちらが勝ったと言う事です!!」
「勝ったって。じゃあ私達の国は……!」
「ええ!フライムの脅威から守られたと言う事です!もう、不安に思う事はないのですよ!」
「ああ……!!神様……!!」
ティアは急いで部屋の扉を開けた。
騎士は息を切らしながら、再度先程叫んでいた内容と同じ事を話し、ティアと共に喜んでいる。
そんな2人の姿を見て、本当に終わったのだと実感し、そしてその安心からか、身体中から力が抜け椅子にへたり込んでしまった。