こくおうさまのすきなひと
報告をしてくれた騎士と共に、国王様の部屋へと向かった。


夫婦の部屋から国王様の部屋までは、さほど遠い距離でもない。

なのに、その道のりがやけに長く感じられた。


どくどくと、心臓は早く脈を打つ。

走っている訳でもないのに、やたらと息苦しく感じる。



国王様のお体の状態は?

体調を崩されていなければいいのだけれど。


早く会いたい。

でも、国王様は会ってくれるだろうか。



不安と期待と色々なものが駆け巡っているからだろうか。

その息苦しさは歩みを止めてもなお、続いていた。




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