こくおうさまのすきなひと
――眩しい。

嗅ぎなれた匂い。

いつも通りの雰囲気を感じる。


曖昧ではない、はっきりとした感覚。


ああ、現実に戻って来てしまったのだと、とても残念に思った。



ゆっくりと瞳を開ける。


ぼんやりとしていた視界が明確になった時、ロバートの顔が近距離にあり、驚いて飛び起きてしまった。



「ろっ、ロバートっ!!」


「……ようやく目を覚ましましたか国王。このまま起きなければどうしようかと、とても不安でたまりませんでした」


ロバートは安心したように笑顔を見せた。

このまま起きなければ……って。



「私はどれだけ寝ていたんだ?」


「ミネア様と別れてすぐに倒れられ、そのまま丸々二日眠り続けておりました。医師にも診てもらいましたが、特に心配はないようです。ですが前国王の事もあり、とても心配で」


「……そうか、そんなに」


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