こくおうさまのすきなひと
あくまで冷静に、感情を見せないように言った。
今の私の心の中は、怒りの炎で激しく燃えている。
私達の間に愛がないだと?
どれだけ私がミネアを想い、悩み苦しんでいたか、お前には分からないだろう。
ミネアの幸せを想うならば、ここでアレイズの言葉を飲むべきなのだろうが、そんな事私に出来る訳がない。
夢の中だけでミネアと通じ合えていればいいと、確かに思った。
けれどアレイズの話を聞き、気付かされた。
私は、私自身の手でミネアを幸せにしたいんだ。
隣でミネアが笑う姿をずっと見ていたいんだ。
いつの日か、ミネアの口から愛していると聞きたいんだ。
――だから……。
「結論だけ言おう。その話を受け入れる事など、到底出来る訳がない」
アレイズは今にも掴みかかんばかりに、勢いよく立ち上がる。
だが私はそんなアレイズに動じる事なく、じっとアレイズの顔を見据えた。
「何故だか知りたいか?」
「っ……!なんでだ……っ!」
「簡単な事だ。私はミネアを愛している。……――心から」