こくおうさまのすきなひと
どさり、と後ろへ倒れ込む。
覆いかぶさるようにして、国王様が上から私を見つめていた。
「ミネア、私と本当の夫婦になる事を後悔しないか?」
国王様は、囁くように呟いた。
私は小さく頭を上下に振った。
「途中で思い直しても、後戻りは出来ない。それでも?」
「……はい」
「ではもう一度、言ってくれ。……私を愛していると。それが、本当の始まりだ」
胸の高鳴りが収まらない。
全てを委ねる不安も多少あるけれど、それ以上に国王様とひとつになれる喜びの方が上回っていた。
国王様の首元に腕を回す。
そして、耳もとまで唇を寄せ、そっと囁く。
「愛しています、アルス様。どうか貴方の愛を、私へ――……」