こくおうさまのすきなひと
やがて玉座の階段の下まで来ると、ロバートが脇に逸れ、王女が私の視線の先に現れた。
伏し目がちな王女は、私の前で少し緊張しているようだ。
すう、と息を吸う音が私の元まで聞こえ、それからドレスの裾を持ち、ゆっくりと一礼をしながら口を開いた。
「お初にお目にかかります、アーハイム国王様。アーネスト国の第一王女、ミネア・ウィス・アーネストと申します」
ソプラノの声が部屋響いた。
私は気持ちを見せぬよう、冷静にミネアに話す。
「ミネア、か。私はこの国の王、アルスだ。もうかしこまらなくてもよい、顔を上げよ」
ミネアは私の言葉に、ゆっくりと身体を伸ばし、私を見上げた。
――その瞬間、私の心臓がどくり、と大きく鳴った。
伏し目がちな王女は、私の前で少し緊張しているようだ。
すう、と息を吸う音が私の元まで聞こえ、それからドレスの裾を持ち、ゆっくりと一礼をしながら口を開いた。
「お初にお目にかかります、アーハイム国王様。アーネスト国の第一王女、ミネア・ウィス・アーネストと申します」
ソプラノの声が部屋響いた。
私は気持ちを見せぬよう、冷静にミネアに話す。
「ミネア、か。私はこの国の王、アルスだ。もうかしこまらなくてもよい、顔を上げよ」
ミネアは私の言葉に、ゆっくりと身体を伸ばし、私を見上げた。
――その瞬間、私の心臓がどくり、と大きく鳴った。