こくおうさまのすきなひと
ミネアが私の名を呼び、微笑みを見せる。
笑顔がとても美しくて、そして私の名を呼んでくれた喜びで、私の心臓は飛び出てしまいそうなくらいだった。
胸の高鳴りが収まらず、ミネアの顔が見られない。
加えてそれがあまりにも激しすぎて、物を食べる事が出来ない。
そうなれば、酒を飲むしかないだろう?
ただ、誤算がひとつ。
私は酒が弱い。
普段は飲んでも一口か二口。
飲んでいるふりをしているの事がほとんどだった。
飲み干してしまってから、ハッと気付いた時にはすでに遅し。
しかもミネアが隣にいる事で、無意識に酒を煽ってしまって、……で、今に至る。
「すまない、水を持ってきてくれないか?」
「本当に何から何まで手のかかるお方ですよ。少々お待ち下さいね!」
ロバートは怒りながら部屋から出ていった。