こくおうさまのすきなひと
本当に恋というものは、どの学門よりも難しい。


自分の気持ちだけではどうにもならない。

相手の気持ちが分からないから、余計。



「反省する。私の未熟さが露呈しているな」

「まあ、反省するのは大いに構わないのですが。……ところで今日の夜は、昨日国王様が先に寝てしまわれて出来なかった初夜ですからね。その失敗を生かし、是非とも仲を深めて下さいませ」


「な……!!」


初夜と聞いて、心臓が飛び出てしまいそうになった。


そ、そうか!
私とミネアが夫婦になったのだから、それはつまり……。

あまりの慌てぶりに、ロバートは怪訝な表情で私を見る。


「何をそんなに驚いているのです?前々から分かっていた事でしょうに」

「そ、それはそうなのだが!そうなんだが……」



私はまた頭を抱える。

それは決して憂いではない。

憂いではないが、……しかし。


初夜……。

ミネアと共に、寝台を共にする。

それを意味するものはただひとつ。



……ああ!
どうしたらいいのだ、私は!


このような状態で、果たして上手くいくのか!?

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