こくおうさまのすきなひと
「……に、なったんだ」

「え?」

「一目惚れしたのだよ、ミネアに。初対面でここまで好きになってしまったのは、初めてなんだ」


その言葉を聞いて、ロバートは目を丸くして驚いていた。

予想外の反応だ。


「……そんなに驚くことか?」


「え?いや、まあその」


「仕方ないだろう、こんな感情になったのは初めてだったんだ。ミネアを前にすると心臓が激しくなって、まともに話せなくなる。心の中ではもっと積極的になりたいと思っているのだがな、それがどうしても出来ない」


「それはまた意外な」


「意外ってなんだ意外って……。だが、私自身も驚いているよ。ミネアに会うまでは気分が憂鬱で、結婚に対して不幸の始まりだなんて思っていたのにな。それがミネアの姿を見て、一瞬でその思いが払拭されて、正反対になった。ミネアと結婚出来たことが夢のようだと思うくらいに」


だからこそ、怖い。

怖いから、不安になる。

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