こくおうさまのすきなひと
5.徐々に変化が現れる時
距離を縮めようとする国王
***
……悩んでいる。
非常に悩んでいる。
ミネアが来てから10日ほどが経った。
少しづつではあるが、たわいのない話を互いに話せるようにはなった。
目を逸らす回数も減ってきたように思う。
しかしながら、相変わらず夫婦の契りは交わしてはいない。
口づけどころか、手さえ握る事が出来ない始末だ。
不甲斐ない結果にロバートは耐えかねて、口うるさく私に話した。
「……ったく、あれだけ舞い上がっていたというのに、結局は何も出来ていないってどういう事ですか、国王!」
「そう責めるな、ロバート。男らしくないのはよく分かっている。だが、いざミネアを前にすると何も出来ないんだ。どうしようもないんだよ」
「なんという純愛……!微笑ましく思えますが、子供でもなし、呑気に構えている場合ではありませんよ!?」
「もうこれ以上何も言うな!そんな事、私が一番良く理解しているし、自分が一番焦っているんだ!本当はもっとミネアを感じたいし、私だけのものにしたいと思っている。けれどミネアの気持ちが分からないままで、彼女に触れるのがとても怖いんだよ!」
「では、それを聞く事から始めませんと……。それすらも聞けないってどれだけ」
「出会ってまだ何日も経ってないのに、好きになると思うか?私じゃあるまいし」
「国王……、それは屁理屈と言うのですよ」
ロバートは呆れたように、ため息を付いた。
……悩んでいる。
非常に悩んでいる。
ミネアが来てから10日ほどが経った。
少しづつではあるが、たわいのない話を互いに話せるようにはなった。
目を逸らす回数も減ってきたように思う。
しかしながら、相変わらず夫婦の契りは交わしてはいない。
口づけどころか、手さえ握る事が出来ない始末だ。
不甲斐ない結果にロバートは耐えかねて、口うるさく私に話した。
「……ったく、あれだけ舞い上がっていたというのに、結局は何も出来ていないってどういう事ですか、国王!」
「そう責めるな、ロバート。男らしくないのはよく分かっている。だが、いざミネアを前にすると何も出来ないんだ。どうしようもないんだよ」
「なんという純愛……!微笑ましく思えますが、子供でもなし、呑気に構えている場合ではありませんよ!?」
「もうこれ以上何も言うな!そんな事、私が一番良く理解しているし、自分が一番焦っているんだ!本当はもっとミネアを感じたいし、私だけのものにしたいと思っている。けれどミネアの気持ちが分からないままで、彼女に触れるのがとても怖いんだよ!」
「では、それを聞く事から始めませんと……。それすらも聞けないってどれだけ」
「出会ってまだ何日も経ってないのに、好きになると思うか?私じゃあるまいし」
「国王……、それは屁理屈と言うのですよ」
ロバートは呆れたように、ため息を付いた。