こくおうさまのすきなひと
――そう。
この争いは、決して負ける事は出来ない。
同盟を組んでいながらアーネストが陥落する事態になれば、アーハイムにも当然危険が及ぶ。
この国の威厳を保つ為にも、必ず勝たねばならない戦争だ。
そして、何よりもアーネストを守るために、私の元へと嫁いだミネア。
ミネアの生まれ育った国だからこそ、何としてでも守らなければならない。
彼女が身を呈してこの国へと嫁いだのだからこそ、私はそれに報いらなければならないのだ。
「ロバート、ミネアはどうしている?」
「はい、今日は一日お部屋で過ごされているかと」
「分かった。では今からミネアの元へと向かう」
「承知致しました」
ロバートと共に部屋を出る。
目的はもちろん、これまでの話をする為だ。
急な外の慌ただしさに、ミネアももう気付いているだろう。
それが只事ではないという事に。
彼女を守ってやれるのは私しかいない。
だからこそ少しでも安心させたい。
そう思って、私達は足早にミネアの元へと向かった。