こくおうさまのすきなひと
椅子に座るように、ミネアに促す。
ミネアは居ても立ってもいられないようだったが、ロバートにも座るようにと促され、仕方なく椅子へと腰掛けた。
ミネアが座ったのを確認し、小さなテーブルを挟んで向かいに私も座る。
ミネアの表情は依然固く、胸元で重ねていた手は微かに震えているようだった。
その不安を少しでも和らげるようにと、ロバートがハーブティーを用意し、カップを目の前に置く。
そして私達に一礼をすると、ティアと共に部屋を出ていった。
ふわりと白い湯気と共に、甘いハーブの香りが辺りを漂う。
ミネアに飲むように勧めた。
あまり乗り気ではないようだったが、渋々とカップを手に取り、口に運んだ。
私もまたカップを手に取りひと口飲み、そして話を始めた。
「さてミネア。話と言うのは、ミネアの母国の事についてだ。実は先程、アーネストとフライムの国境付近に軍が配置されているとの情報が入った。どうやらフレイムは近々アーネストへと侵攻する気でいるらしい」
その言葉に、一気にミネアの顔色が青ざめた。