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番外編-1-
これは出会ってから1年経つ前のお話。
「ねぇ、れおちん」
「ん? どうしたの」
「私のこと〝お前〟って言ってみて」
寝転がってリビングにあるテレビを見ているれおちんに向けて、告げる。
「〝お前〟? なに、突然どうしたの?」
キョトンとしたれおちんを見て、照れながら回想する。
「いや〜、ドラマの高校生の恋愛で〝お前〟とか〝あんた〟とか言ってたなぁって思ってさ〜」
れおちんにも言われてみたいなぁ、なんて。
出会った当初は言ってたけど、〝はなりん〟って呼ぶようになって以来1度も聞いたことがない。
だから、もう一度ね。
目をうるうるさせて、れおちんを見つめる。
「...それで、お前って?」
「そうなの」
どうかな? ダメかな?