想いの境界線
「話があるならぁ、今してくれる~?」
「…でも…」
再度私に視線を向ける女の子。
その視線に気付いた遥斗。
「ふたりでっていうのはぁ、却下ね~」
「遥斗っ‼」
私が言いたいことは、
きっと遥斗は分かってる。
「これ以上譲歩しないよ~」
それでも頑なな遥斗。
何でそんなに不機嫌な訳?
意を決した彼女が口を開く。
「ずっと前に、友達が主催した合コンで
会ってから、ずっと好きでした。
登下校で見掛ける度に
思いが募っていって…
良かったら、
私と付き合ってくれませんか?」
真っ赤な顔で、潤んだ瞳で遥斗を見上げる彼女。
こういう仕草に、世の男子は弱いと思う。
そして落ちるんじゃないかと…
女の私が見ても、可愛いと思うもの。
ちらっと横目で遥斗の様子を伺う。
先程と変わらずの無表情。
それとは別に『合コン』という響きに、
心がざわざわする。
「俺、ずっと昔から好きな子がいる。
だから、きみとは付き合えない。
ごめん」
間延びした話し方じゃない遥斗。
そう言って頭を下げる。
これ以上何も言うことはないと、私の腕を引き、彼女に背を向け歩き始める。
『俺、ずっと昔から好きな子がいる』
遥斗のその言葉もまた、
私の心を揺さぶる。
あんなに可愛い子を振ってまで…
幼馴染みの私の何が良いんだろう…?
そう思う気持ちと、
昔から好きと言いながら、
遥斗が合コンに行ったという事実が、
何故だか心に重くのし掛かっている。
数歩進み、遥斗が口を開く。
「ごめんね~ななちゃん、
付き合わせちゃってぇ。
ちょーっと、急ごっか?」
いつもの間延びした話し方…
何事もなかったみたいに接してくる遥斗。
それに何だかむかっとする。
あんなに無表情で冷たい雰囲気の遥斗を、
半年前まで私は知らなかった。
陸斗に向ける眼差しに似てる。
そう思った。
「…でも…」
再度私に視線を向ける女の子。
その視線に気付いた遥斗。
「ふたりでっていうのはぁ、却下ね~」
「遥斗っ‼」
私が言いたいことは、
きっと遥斗は分かってる。
「これ以上譲歩しないよ~」
それでも頑なな遥斗。
何でそんなに不機嫌な訳?
意を決した彼女が口を開く。
「ずっと前に、友達が主催した合コンで
会ってから、ずっと好きでした。
登下校で見掛ける度に
思いが募っていって…
良かったら、
私と付き合ってくれませんか?」
真っ赤な顔で、潤んだ瞳で遥斗を見上げる彼女。
こういう仕草に、世の男子は弱いと思う。
そして落ちるんじゃないかと…
女の私が見ても、可愛いと思うもの。
ちらっと横目で遥斗の様子を伺う。
先程と変わらずの無表情。
それとは別に『合コン』という響きに、
心がざわざわする。
「俺、ずっと昔から好きな子がいる。
だから、きみとは付き合えない。
ごめん」
間延びした話し方じゃない遥斗。
そう言って頭を下げる。
これ以上何も言うことはないと、私の腕を引き、彼女に背を向け歩き始める。
『俺、ずっと昔から好きな子がいる』
遥斗のその言葉もまた、
私の心を揺さぶる。
あんなに可愛い子を振ってまで…
幼馴染みの私の何が良いんだろう…?
そう思う気持ちと、
昔から好きと言いながら、
遥斗が合コンに行ったという事実が、
何故だか心に重くのし掛かっている。
数歩進み、遥斗が口を開く。
「ごめんね~ななちゃん、
付き合わせちゃってぇ。
ちょーっと、急ごっか?」
いつもの間延びした話し方…
何事もなかったみたいに接してくる遥斗。
それに何だかむかっとする。
あんなに無表情で冷たい雰囲気の遥斗を、
半年前まで私は知らなかった。
陸斗に向ける眼差しに似てる。
そう思った。