想いの境界線
遥斗を取り巻く、
男子の雑談はまだ続行中──
「まぁ、東校のプリンセスが、
その辺のただ顔が可愛いだけの子に
負ける訳ねぇだろ‼
そんなんで簡単に遥は落ちねぇよ!」
そう言ったのは、柏木 光志くん。
彼も同中で、遥斗の親友。
バスケ部に所属している。
光志くんの言葉の後、
男子が一斉にこちらを見る。
何のことを言っているのか分からず、
更にこの状態をどうして良いかも分からず…
困惑気味に首を傾げる。
その瞬間──
しーんと静まる教室の中。
静かだったのも、束の間…一人を皮切りに
騒ぎ始める。
「やっぱ、可愛い‼」
「俺やっぱり遥斗になりたいっ‼」
「遥斗ばっかりずりぃよっ!」
ばぁんっ‼
遥斗が机を両手で叩く。
「うるせぇよ…お前ら」
静かな声音…
その一言で黙らせる。
「七緒に邪な気向けんなよ…
例え向けてきても、
俺が返り討ちにしてやる」
遥斗の怒声に、怯えた表情のまま…
男子達は自分の席へと戻っていく。
一人だけその様子を笑って見ていた
光志くん。
前の席の光志くんの椅子に、蹴りを入れる遥斗。
いつものふたりの様子に、
ほっと胸を撫で下ろす。
「ねぇ、柚月。
東校のプリンセスって、誰?」
私のその質問に、
ぽかーんとした表情の柚月。
「…そうだね…そうだったね!
七緒は昔からそうだよね…
遥斗の方が、大変なのかもね…」
質問とは全然違う言葉が返ってきて、
ますます意味が分からない。
そんな私の頭を、
『よしよし』と言いながら撫でる柚月。
子供扱いされてる感が否めないが、
そのまま受け入れる。
…何か今日は腑に落ちないことばかり…。
すっきりしない心を抱えたまま、
1日がスタートした。
男子の雑談はまだ続行中──
「まぁ、東校のプリンセスが、
その辺のただ顔が可愛いだけの子に
負ける訳ねぇだろ‼
そんなんで簡単に遥は落ちねぇよ!」
そう言ったのは、柏木 光志くん。
彼も同中で、遥斗の親友。
バスケ部に所属している。
光志くんの言葉の後、
男子が一斉にこちらを見る。
何のことを言っているのか分からず、
更にこの状態をどうして良いかも分からず…
困惑気味に首を傾げる。
その瞬間──
しーんと静まる教室の中。
静かだったのも、束の間…一人を皮切りに
騒ぎ始める。
「やっぱ、可愛い‼」
「俺やっぱり遥斗になりたいっ‼」
「遥斗ばっかりずりぃよっ!」
ばぁんっ‼
遥斗が机を両手で叩く。
「うるせぇよ…お前ら」
静かな声音…
その一言で黙らせる。
「七緒に邪な気向けんなよ…
例え向けてきても、
俺が返り討ちにしてやる」
遥斗の怒声に、怯えた表情のまま…
男子達は自分の席へと戻っていく。
一人だけその様子を笑って見ていた
光志くん。
前の席の光志くんの椅子に、蹴りを入れる遥斗。
いつものふたりの様子に、
ほっと胸を撫で下ろす。
「ねぇ、柚月。
東校のプリンセスって、誰?」
私のその質問に、
ぽかーんとした表情の柚月。
「…そうだね…そうだったね!
七緒は昔からそうだよね…
遥斗の方が、大変なのかもね…」
質問とは全然違う言葉が返ってきて、
ますます意味が分からない。
そんな私の頭を、
『よしよし』と言いながら撫でる柚月。
子供扱いされてる感が否めないが、
そのまま受け入れる。
…何か今日は腑に落ちないことばかり…。
すっきりしない心を抱えたまま、
1日がスタートした。