想いの境界線
半年前まではこの日常にもう一人…
バスケの朝練があるからと先に学校に行くようになった陸斗。


両家とも親が共働きでどちらかの家で食事をすることが多く、二人に美味しいものを食べさせたい。
『美味しい』って言ってもらいたい一心で私の料理スキルはめきめきと上達した。


3人一緒に食事をしていたのは半年前まで…
部活が遅くなるから待たなくていいと言って夕飯も一緒に取らなくなった陸斗。


本当は部活のせいだけじゃないんだって気付いてる。


半年前まで遥斗もバスケ部だった。
陸斗と遥斗は小中共にバスケ部で試合にはよく二人の応援に行っていた。
あんなに夢中だったバスケを辞めて直ぐに
髪型を変えた。


─どうしてバスケ辞めたの?─


『うーん、飽きちゃったから?ほら、もっと青春を謳歌しないとね~』


─どうして髪型変えたの?─


『そんなのただのイメチェンだよ~似合ってるでしょー?」


─どうして陸斗と話さないの?─


─どうして遥斗を避けているの?─


この疑問を二人に聞くことは
出来なかった…
< 6 / 22 >

この作品をシェア

pagetop