ほしの、おうじさま
まずは他の先輩とローテーションで一階ロビーの総合受付を担当し、接客のノウハウを学びながら、別の時間帯に秘書課室内にて重役付きの先輩方のデスクワークの補助業務をこなす。
そうして徐々にステップアップして行き、秘書課長より合格点をいただいた段階でようやくお偉いさんのうちのどなたかの担当チームの一員になれるようだ。
そこに至るまでにはどんなに最短でも三年はかかるらしい。
正確には、どんなに優秀な人でも来客応対や電話応対、事務処理の実務経験を三年以上は積んでいないと秘書業務は任せてもらえない。
重役の補佐という重要な任務に就くからにはその程度のスキルは最低限必須、ということなのだろう。

企業によっては別部署で働いていたベテランさんを異動させたり、即戦力になる人を中途採用したりする所もあるみたいだけど、０to０の場合は自社の当該部署にて、新入社員の頃より一から育てて行くのが伝統らしい。
なので人によっては三年以上かかる場合があるらしく、いわゆる「下積み」の立場のまま寿退社してしまった人も過去にはチラホラいるのだとか。
やはり世間一般的には企業の受付を任されるというのはこの上ないステータスで、お嫁さん候補としては申し分なく、各方面からのアプローチがすごいらしいから。
「まだまだ自分の納得の行くレベルまで到達できていないから」とお断りする方もいれば、運命の相手に巡り会えて辞めて行く方もいるという訳だ。
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表紙・目次

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