ほしの、おうじさま
もうちょっと気のきいた返しをしたかったものだけど、まぁそこは仕方ないだろう。
ほどなくして目的地に到着し、件のキャビネットの前まで歩を進め、扉を開ける。
「えっと、昨年度のウインターキャンペーンのデータだったよね」
「うん」
「資料は年代順に分けて保管されてるから…あ、これだね」
言いながら、私は一冊のファイルを抜き出した。
紙の資料と一緒に様々なデータが記録されているCDも納められている。
「ありがとう。それじゃあお預かりするね」
そう言葉を発しながら星野君は私の手からファイルを譲り受けた。
「CDの中身をウチの端末にコピーさせてもらったらすぐに返却しに行くと思うんだけど、その時も星さんに声をかければ良いのかな?それとも課長?」
キャビネットの扉を閉めて施錠していると星野君はそう問い掛けて来た。
「あ、私今日は早番だから、まもなく上がりになっちゃうんだ。課長も同じシフトなんだけど…」
「そうなんだ」
「でも、遅番の係長に引き継いでおくね。フロア内に女性が一人残っていると思うから、まずはその人に声をかけて取り次いでもらって」
「分かった。ありがとう」
「いいえー。どういたしまして」
極上スマイルの星野君に釣られて私も笑顔でそう返したけれど、しかし次の瞬間ドキリとした。
ほどなくして目的地に到着し、件のキャビネットの前まで歩を進め、扉を開ける。
「えっと、昨年度のウインターキャンペーンのデータだったよね」
「うん」
「資料は年代順に分けて保管されてるから…あ、これだね」
言いながら、私は一冊のファイルを抜き出した。
紙の資料と一緒に様々なデータが記録されているCDも納められている。
「ありがとう。それじゃあお預かりするね」
そう言葉を発しながら星野君は私の手からファイルを譲り受けた。
「CDの中身をウチの端末にコピーさせてもらったらすぐに返却しに行くと思うんだけど、その時も星さんに声をかければ良いのかな?それとも課長?」
キャビネットの扉を閉めて施錠していると星野君はそう問い掛けて来た。
「あ、私今日は早番だから、まもなく上がりになっちゃうんだ。課長も同じシフトなんだけど…」
「そうなんだ」
「でも、遅番の係長に引き継いでおくね。フロア内に女性が一人残っていると思うから、まずはその人に声をかけて取り次いでもらって」
「分かった。ありがとう」
「いいえー。どういたしまして」
極上スマイルの星野君に釣られて私も笑顔でそう返したけれど、しかし次の瞬間ドキリとした。