それは許される恋…ですか
「こう見えても苦労人なのよ、私は」と言う人が、ボソッと声を潜めて喋った。
「私、一度だけ別の人と浮気してやろうかと思ったことがあったの。それをしたらきっと、離婚できると思ったから」
爆弾発言に驚いて顔を見つめる。
チズちゃんもビックリしたらしく、声も出せずに見守ってた。
「私の行動は見るからに怪しかったのね。主人ときたら先回りをしてそれを食い止めたの。『自分を傷つけて何になる!』ってひどい剣幕で怒られたわ」
「カッコい〜!」
チズちゃんが溜息を零しながら呟いた。
お母さんはクスッと笑い、「でしょう?」と同意した。
「それを聞いて気づいたの。この人は本当に私のことが好きなんだなぁ…って。それが結婚して6年も経った頃のことよ」
馬鹿でしょう?と付け加える。
「ちっとも!」と答えるチズちゃんに合わせ、うん…と力強く頷く。
「ありがとう。そう言われると安心するわ」
朗らかな人がふんわりと優しく微笑む。
その顔が白瀬さんと似ていて、やっぱり親子だな…と思う。
「それから子供ができたんですか?」
厨房にいる人を思い出したらしく、チズちゃんが上目を使って聞く。
「そうなの。私もやっと気持ちが彼に寄っていったのね」
ふふふ…と嬉しそうに笑う人を羨ましく眺める。
社長との間に子供ができて、やっと夫婦になって良かった…と思ったらしい。
「私、一度だけ別の人と浮気してやろうかと思ったことがあったの。それをしたらきっと、離婚できると思ったから」
爆弾発言に驚いて顔を見つめる。
チズちゃんもビックリしたらしく、声も出せずに見守ってた。
「私の行動は見るからに怪しかったのね。主人ときたら先回りをしてそれを食い止めたの。『自分を傷つけて何になる!』ってひどい剣幕で怒られたわ」
「カッコい〜!」
チズちゃんが溜息を零しながら呟いた。
お母さんはクスッと笑い、「でしょう?」と同意した。
「それを聞いて気づいたの。この人は本当に私のことが好きなんだなぁ…って。それが結婚して6年も経った頃のことよ」
馬鹿でしょう?と付け加える。
「ちっとも!」と答えるチズちゃんに合わせ、うん…と力強く頷く。
「ありがとう。そう言われると安心するわ」
朗らかな人がふんわりと優しく微笑む。
その顔が白瀬さんと似ていて、やっぱり親子だな…と思う。
「それから子供ができたんですか?」
厨房にいる人を思い出したらしく、チズちゃんが上目を使って聞く。
「そうなの。私もやっと気持ちが彼に寄っていったのね」
ふふふ…と嬉しそうに笑う人を羨ましく眺める。
社長との間に子供ができて、やっと夫婦になって良かった…と思ったらしい。