それは許される恋…ですか
「こんばんは」と声をかけられたのは、晩飯用のおにぎりを買いにきたコンビニでのことだ。
誰だろうかと目を向けたらあのイケメン店長がいた。
黒い革のジャンパーの下に白いTシャツを着て細身のグレーっぽいGパンを穿いている。
朝に見た弁当屋のエプロン姿よりもハッと息を呑むようなオーラがあり、一瞬声を出すのも躊躇われた。
「…こんばんは」
笑い返して言える程の余裕は俺にはない。
でも、奴は余裕綽々な笑みを浮かべている。
「今から食事ですか?」
おにぎりコーナーの前にいるのを見定めて聞かれた。
「ええ、まぁ」
明香が疲れて晩ご飯も炊けなかったというのは話さなかった。
「桃は…」と言いかけた男が、一瞬言うのを止めて言い直した。
「桃山さんは作ってなかったんですか?」
わざとらしい言い方をする奴の顔を横目で見ながら「まぁ、そんなところです」と呟くと、イケメン面がニヤッと薄笑いを浮かべる。
「そうか…」
まるで理由がわかっている様な感じだ。
明香の両親が訪ねてきたことを知りもしない筈なのに、そんなふうに思えてしまった。
「そちらは何をしに此処へ?」
自分のことばかり詮索されるのが嫌で問い返した。
奴はちらりと辺りを確認し、「マーケティング調査に来ました」と小声で喋った。
自分の店の周囲にあるスーパーやコンビニで、どんな弁当や惣菜が売れているかを調べているそうだ。
誰だろうかと目を向けたらあのイケメン店長がいた。
黒い革のジャンパーの下に白いTシャツを着て細身のグレーっぽいGパンを穿いている。
朝に見た弁当屋のエプロン姿よりもハッと息を呑むようなオーラがあり、一瞬声を出すのも躊躇われた。
「…こんばんは」
笑い返して言える程の余裕は俺にはない。
でも、奴は余裕綽々な笑みを浮かべている。
「今から食事ですか?」
おにぎりコーナーの前にいるのを見定めて聞かれた。
「ええ、まぁ」
明香が疲れて晩ご飯も炊けなかったというのは話さなかった。
「桃は…」と言いかけた男が、一瞬言うのを止めて言い直した。
「桃山さんは作ってなかったんですか?」
わざとらしい言い方をする奴の顔を横目で見ながら「まぁ、そんなところです」と呟くと、イケメン面がニヤッと薄笑いを浮かべる。
「そうか…」
まるで理由がわかっている様な感じだ。
明香の両親が訪ねてきたことを知りもしない筈なのに、そんなふうに思えてしまった。
「そちらは何をしに此処へ?」
自分のことばかり詮索されるのが嫌で問い返した。
奴はちらりと辺りを確認し、「マーケティング調査に来ました」と小声で喋った。
自分の店の周囲にあるスーパーやコンビニで、どんな弁当や惣菜が売れているかを調べているそうだ。