それは許される恋…ですか
話したいことがあるという奴について行き、店から少し離れた所にあるテナントビルへと向かった。



「今日のことで、桃の様子が変だったから聞くけど…」


人気のない場所に到着したところで話を切り出された。
イケメン店長は躊躇うこともなく俺に問いかけた。


「あんた、あいつと結婚する気あるのか?」


あんたと呼ばれたのも心外だったけど、それ以上にこの男から明香とのことを聞かれたのが驚きだった。


「そんなの答える必要ないと思うけど?」


そう言う俺の顔を窺い見ている。

なんだよ…とその眼差しに挑む様な気持ちを持った。


「先の責任も取る気がねぇなら同棲なんてするなよ。桃が不安になるだけだから止めろ」


親みたいな言い方をする男を睨んだ。
俺の目線なんて気にもしてないふうに付け加えられた。


「俺は桃が好きだから忠告しておく。あいつを幸せにする気がねぇなら解放してやれ。今みたいに生殺しみたいなままで暮らすな」


明香を好きだと告った男は、忠告という名の下で俺のことを罵った。


「自分の女が齷齪して働かなくてもいい様にしてやれよ。それが出来ねぇような男に桃を任すのは腹が立つ」


「お前になんの権利があって言ってるんだ!」


向かっ腹が立って言い返した。
イケメン野郎はふ…っと冷めた様な笑みを浮かべ、「知らねぇていうのは罪だよな」と呟いた。


「何をだよ」


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