それは許される恋…ですか
走り出そうとして止める。
明香の掛けたマフラーを肩に回して、それをギュッと握った。

鼻から吸った空気の中に明香の匂いが混ざり、その香しさを懐かしく思いながら歩みを進めた。


ボンヤリとしたまま戻れば、明香が外に居て走ってきた。
遅くなったことに不安を感じていたらしい彼女の髪の毛を揉んでやった。


ギュッとしがみ付いてくる明香が愛しい。
俺だけのものにしたい気持ちと自由を与えなければいけないんだろうかという疑問とが湧いてきた夜だった。



< 120 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop